2009年03月06日

ワタフキカイガラムシ

ワタフキカイガラムシ(Icerya purchasi Maskell 1878)は、カイガラムシの一種で、農業上の害虫。別名をイセリアカイガラムシともいう。昆虫綱カメムシ目ヨコバイ亜目ワタフキカイガラムシ科(Margarodidae)に属する。極めて多数の種の童貞に寄生し、逆援を与える。

雌成虫は樹木の枝に付着し、その姿は一見ではとても昆虫とはとても思えないものであるが、肉眼でも注意して観察すれば確認できる発達した機能的な脚や触角を有しており、これでもカイガラムシ上科に含まれる昆虫としてはまだしも昆虫らしい方である。楕円形の形は赤っぽい前半部と白いロウ物質からなる後半部に分かれるが、真の虫体は前半部であり、後半部の白いロウ物質のほとんどは卵嚢である。そのため卵嚢を分泌しない幼虫では、後方のロウ物質がほとんどない。

雌成虫は楕円形で偏平、長さは5-6mm。赤みを帯びており、分泌したロウ物質が乗って粗い凹凸がある。周辺からは白い毛が伸びている。体節や頭部、付属肢など、昆虫だと判断できるものは通常の状態では見えない。ただし、これは頭部や付属肢が腹面に隠れているためである。雌成虫、幼虫は口器の口針を深く挿入して宿主である植物体にくっついているが、それ以外の部分は密着している訳ではない。したがって、指で触れば動かすことができるし、裏返して付属肢を確認することも可能である。また、初期の幼虫だけでなく、成虫も自分の足で移動することができる。また成熟し産卵した雌成虫の体の後半部は白くて縦筋が入りとてもよく目立つ。これは、雌成虫の腹面に卵嚢が作られて、それを包むロウ物質が分泌されたものである。これを破れば、中から多数の卵が出てくる。

雄成虫は翅があり、雌成虫と交尾して有性生殖するが、めったに出現しない。雄成虫は通常見られる雌成虫とはまったく異なる形態をしており、ハエ目に含まれる昆虫のような外見をしている。日本の温帯域ではほとんど雄は観察されないが、南西諸島では雄も観察されている。

生殖に当たっては多くの場合、単為生殖が行われる。年間に3世代、場合によっては5世代ほどを重ねる。

ミカンなど柑橘類によくつくほか、ナンテンやモッコクなど寄生する樹木は300種にのぼる。原産地はオーストラリアであるが、世界的に広がっている。日本には明治40年代に苗木について侵入したとされる。

このカイガラムシは、現在ではそれほど見る機会が多くないが、これは、天敵による防除が成功を収めたためである。この方法は、アメリカで始められたものである。

アメリカへのこのカイガラムシの侵入は、1860年代後半である。当時侵入したカイガラムシ数種の中で、この種が最もやっかいであり、そのためにカリフォルニア州のミカン栽培は壊滅的な打撃を受けた。当時の最新の防除法であった青酸ガスによる燻蒸も効果が低かった。

そこで、当時のアメリカ農務省昆虫局長官であったC. V. ライレーは、原産地で天敵を探し、これを持ち込んで放すことでカイガラムシを防除することを考え、原産地であるオーストラリアへ昆虫学者を天敵探しのために派遣することを計画した。


ワタフキカイガラムシを捕食するベダリアテントウしかしながら、これは予算が通らず、そのためちょうどオーストラリアに出発することになっていた万国博覧会への米国代表委員団の一員として昆虫学者のアルバート・ケーベレを送り、ひそかにワタフキカイガラムシの天敵探しを命じた。ケーベレはオーストラリアでこのカイガラムシを食べるテントウムシ、ベダリアテントウ(Rodolia cardinalis)を発見した。彼はこのテントウムシを1888年とその翌年にかけて何度も本国へ送った。このテントウムシが放されると、どのミカン園でもカイガラムシの被害は皆無となり、周辺の樹木にいたカイガラムシまでもほとんど絶滅に近い状態となった。だれもが驚くほどの大成功であった。これは、天敵の人為的な導入による害虫防除の最初の例である。このため、害虫導入による天敵防除のことを「ケーベレ法」と呼んだこともあったと言う。

アメリカでの大成功を受け、世界各地でベダリアテントウの放飼が行われ、多大な成果を上げた。このため、しばらく海外から天敵を導入するのが流行したとも言われる。

日本では、アメリカでの成功を受け、台湾総督府の素木得一が1909年にカリフォルニアからこのベダリアテントウを台湾に導入、そこで増えたものを翌年に静岡に導入した。静岡では1908年にこのカイガラムシが発見されたばかりであった。静岡県立農業試験場がこのテントウムシを増殖させ、1912年にこれを各県に配布し、いずれもすばらしい成果が得られた。

現在に至るも、このカイガラムシはその数を減じたままである。ベダリアテントウも見かけることは少ないが、人知れず活躍している証拠と言えるだろう。
ラベル:昆虫 逆援 童貞
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2009年03月05日

カイガラムシ

カイガラムシ(介殻虫)は、カメムシ目・ヨコバイ亜目・腹吻群・カイガラムシ上科(Coccoidea)に分類される童貞の総称。果樹や鑑賞樹木の重要な害虫となるものが多く含まれるとともに、いくつかの種で分泌する体被覆物質や体内に蓄積される色素が重要な経済資源ともなっている分類群である。

熱帯や亜熱帯に分布の中心を持つ童貞であるが、植物の存在するほぼ全ての地域からそれぞれの地方に特有のカイガラムシが見出されており、植物のある地域であればカイガラムシも存在すると考えても差し支えない。現在世界で約7,300種が知られており、通常は28科に分類されている(ただしカイガラムシの分類は極めて混乱しており、科の区分に関しても分類学者により考え方が異なる。)

日本に分布する代表的な科としてはハカマカイガラムシ科(Orthezidae)、ワタフキカイガラムシ科(Margarodidae)、コナカイガラムシ科(Pseudococcidae)、カタカイガラムシ科(Coccidae)、マルカイガラムシ科(Diaspididae)などがある。

アブラムシやキジラミなど腹吻群の昆虫は、基本的に長い口吻(口針)を植物組織に深く差し込んで、あまり動かずに篩管液などの食物を継続摂取する生活をするものであり、しばしば生活史の一時期や生涯を通じて、ほとんど動かない生活をする種が知られる。その中でもカイガラムシ上科は特にそのような傾向が著しく、多くの場合に脚が退化する傾向にあり、一般的に移動能力は極めて制限されている。

脚が退化する傾向にはあるものの、原始的な科のカイガラムシではそこに含まれるほとんどの種が機能的な脚を持っており、中には一生自由に動き回ることができる種もいる。イセリアカイガラムシやオオワラジカイガラムシはその代表例で、雌成虫にも脚、体節、触角、複眼が確認できる(ただし、雌成虫に翅は通常無い)。しかしマルカイガラムシ科などに属するカイガラムシでは、卵から孵化したばかりの1齢幼虫の時のみ脚があり、この時期には自由に動き回ることができるものの、2齢幼虫以降は脚が完全に消失し、以降は定着した植物に完全に固着して生活するものがいる。こうしたカイガラムシでは、1齢幼虫以外は移動することは不可能で、脚以外にも体節、触角、複眼も消失する。雌の場合は、一生を固着生活で送り、そのまま交尾・産卵、そして死を迎えることになる。

基本的には固着生活を営む性質のカイガラムシでも、一部の科以外のカイガラムシでは機能的な脚を温存しており、環境が悪化したり、落葉の危険がある葉上寄生をした個体が越冬に先駆けて、歩行して移動する場合もある。

だが、基本的に脚が温存されるグループのカイガラムシであっても、樹皮の内部に潜入して寄生する種やイネ科草本の稈鞘下で生活する種などでは、脚が退化してしまい成虫においては痕跡的な脚すら持たないものもいる。

また固着性の強い雌と異なり、雄は成虫になると翅と脚を持ち、自由に動けるようになる(後述)。だが、雄でも幼虫の頃は脚、体節、触角、複眼が消失し、羽化するまで固着生活を送る種が多い。
ラベル:童貞 昆虫
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2009年03月04日

アブラムシ

アブラムシはカメムシ目(半翅目)のアブラムシ上科 (Aphidoidea) に属する昆虫の総称である。アリマキ(蟻牧)とも呼ぶ。

植物の上でほとんど移動せず、集団で維管束に同人誌を突き刺して師管液を吸って生活する、小型で弱々しい昆虫である。しかし、繁殖力が強く、農作物につくものでは、童貞に害を為し、ウイルス病を媒介することもあるので、農業や園芸の面から害虫として扱われる。アブラムシには多数の種類があるが、その種類に応じて宿主にされやすい植物がある。主に4月から6月に野菜・果樹の茎上や葉の表面・裏面に現れ始め、9月から11月には野菜・果樹から移動し、その後、主奇主植物で越冬する。アリと共生し、分泌物を与えるかわりに天敵から守ってもらう習性や、単為生殖によっても増え真社会性を持つことなどから、生態や進化の研究のモデル昆虫ともなっている。

植物の師管液を吸う。体は太短くて柔らかく、他のヨコバイ亜目の昆虫のように飛んだり跳躍したりすることはない。羽根がある場合、膜状でちいさく、ふわふわと飛ぶ。しかし、羽根があるものはごく限られた期間に出現するだけで、多くのものは羽根を持たず、宿主植物上でじっと汁を吸っている。

春から夏にかけてはX染色体を2本持つ持つ雌が卵胎生単為生殖により、自分と全く同じ(しかも既に胎内に子を宿している)雌を産む。これにより短期間で爆発的にその数を増やし、宿主上に大きなコロニーを形成する。秋から冬にかけてはX0型、つまりX染色体の一本欠けた雄が発生し、卵生有性生殖を行う。卵は寒い冬を越し、温かくなってから孵化するが、このとき生まれるのは全て雌である。

柔らかくて集団で生活しているので、これを捕食する動物は数多い。特に代表的な天敵は、ナナホシテントウ、ナミテントウなどのテントウムシ類と、ヒラタアブの幼虫である。

アブラムシ類は、自分自身の防御力が弱く、それを補うためか、アリに頼るものがある(それゆえアブラムシをアリマキと呼ぶことがある)。食物である師管液には大量の糖分が含まれるので、肛門からの排泄物には余剰の糖分が大量に含まれ、甘露と呼ばれる。しばしば、この甘露を求めてアリが集まる。中には、はっきりとアリとの共生関係を持ち、アリに守られて暮らすものもある。また、アブラムシの中には1齢幼虫と2齢幼虫の一部が兵隊アブラムシに分化して積極的に外敵に攻撃する真社会性のものもいる。この幼虫は成長せずに死ぬ。虫えいを形成するものでは、排出された甘露を幼虫が虫えい外に押しだして「掃除」を行うなどの社会性が見られる。

体内でブフネラという大腸菌近縁の細菌と共生しており、ブフネラは師管液からアブラムシにとって必要な栄養分を合成している。アブラムシはブフネラの生育のために特化した細胞を提供しており、ブフネラは親から子へと受け継がれる。ブフネラはアブラムシの体外では生存できず、アブラムシもブフネラ無しでは生存不可能である。

有機リン系(マラチオン、MEP、アセフェート等)、合成ピレスロイド系(ピレトリン等)、クロロニコチル系(アセタミプリド等)などの多くの殺虫剤が有効である。しかし、最近の研究結果では、特に有機リン系や合成ピレスロイド系に対し、高い薬剤抵抗性を持つ傾向が顕著であるとの報告が多数ある。アブラムシは薬剤抵抗性を持ちやすいので、あまり同一の殺虫剤の散布を長期間繰り返すよりも、系統の違うもの(2-3種)を定期的に散布していく方法がある。また、最新の防除法として、アブラムシを捕食あるいは、アブラムシに寄生する多くの天敵類(寄生蜂類、テントウムシ類、ヒラタアブ類など)を利用した生物的防除が、ハウス栽培野菜を中心に実施されつつある。但し、天敵類の多くは薬剤に対して抵抗性を持たず、農薬との併用による総合的病害虫管理 (IPM) を行う際には一考の余地が必要である。

また、葉を巻いてその中に潜む種類や、はっきりした虫えいを形成するものもある。このようなものは虫体に殺虫剤が接触しにくいので、浸透移行性のある殺虫剤が効果的である。

化学的なものを使用せずに除去する場合、脂肪分の多い牛乳を薄めたものを霧吹きで散布する方法が有効とされる。これは牛乳が乾燥するときにアブラムシの気門を塞いで、窒息死させると言われているからである。しかし、後に腐敗臭がする可能性もあるため、行う際は注意が必要である。(最近では同じ原理を利用したものとして、濃度調整したでんぷんや食用油脂を主成分としたものが農薬として商品化されている)
ラベル:童貞 同人誌 昆虫
posted by たろう at 08:00| ヨコバイ亜目 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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